◎主婦で交通事故に遭われた方へ
- ○ 主婦の場合の休業損害、逸失利益の計算方法を知りたい
- ○ 兼業主婦と専業主婦では休業損害の計算方法が違うのか?
- ○ 高齢の主婦は、休業損害が減らされると聞いたが、本当か?
- ○ 1人暮らしの主婦は、賠償金が減るのか?
- ○ 辛い後遺障害が残ったので、後遺障害認定を受けたい
- ○ 慰謝料の金額が妥当かどうか、知りたい
主婦が交通事故に遭われると、さまざまな法的問題が発生するものです。適切な対応方法が分からない場合には、是非とも山口の弁護士までご相談ください。
1.主婦の休業損害、逸失利益について
1-1.主婦にも休業損害、逸失利益が認められる
主婦が交通事故に遭われた場合には、休業損害や逸失利益が問題になることが多いです。
休業損害とは、交通事故によって働けない期間が発生したときに、得られなくなってしまった収入に相当する損害です。
逸失利益は、後遺障害が残ったり死亡したりしたことで、将来にわたって得られなくなってしまった収入のことです。
休業損害も逸失利益も、基本的には仕事をして収入を得ている人に認められるものです。収入がない場合には、こうした失われた利益を観念することができないからです。
ただ、主婦の場合には、家事労働をしているので、実際には収入を得ていなくても休業損害や逸失利益の支払いを受けることができます。
1-2.主婦の基礎収入
主婦の休業損害や逸失利益を計算するとき、基礎収入をいくらに設定するかが問題です。
この場合、実際には収入がないので「全年齢の女性の平均賃金」を使って計算するのが通例です。
これによると、年収が370万円程度、1日あたりの収入にすると1万円程度となります。
ただ、被害者の方がご自身で任意保険会社と示談交渉をすると、休業損害が1日5700円で計算されてしまうことが多いので、注意が必要です。5700円というのは、自賠責基準による数字です。
本来の権利としては、主婦の場合、1日1万円程度を基礎収入とすることができるのですから、妥協すべきではありません。
また、主婦が家事をできなくなったために家政婦を雇わざるを得なかったケースでは、家政婦を雇った実費を請求できる可能性もあります。
2.兼業主婦、高齢の主婦、1人暮らしの主婦などのケース
主婦には、専業主婦以外にも、さまざまなタイプがあります。
たとえば、兼業主婦、主夫、高齢の主婦、補助的な主婦、1人暮らしの主婦などが考えられます。
これらについては、それぞれ基礎収入についての考え方が決まっています。
たとえば、兼業主婦の場合にはパート収入の取扱いについて、専業主婦と不公平にならないための計算方法がありますし、高齢の主婦や補助的な主婦の場合、基礎収入が減額されることがあります。
主夫の場合には、男性の平均賃金ではなく女性の平均賃金を使って計算するという特殊な取扱いをします。
主婦の休業損害や逸失利益について、正しい計算方法がわからない場合には、弁護士までご相談ください。
3.主婦の慰謝料が増額されるケース
主婦が交通事故に遭った場合、慰謝料が増額されることがあります。
たとえば、妊娠中に交通事故に遭って中絶を余儀なくされた場合には、子どもは生まれていないので子ども自身の慰謝料は認められません。しかし、子どもを失った母親の精神的苦痛が甚大であると認められるので、通常よりも慰謝料が高額になります。
また、外貌醜状が残った場合の問題があります。この場合、後遺障害があるとは言っても、労働能力が低下しません。しかし、醜状が残ったことによる精神的苦痛が強いものと評価されて、慰謝料が増額される例が多いです。
さらに、主婦と子どもが一緒に交通事故に遭い、子どもが目の前で死亡した場合や重大な後遺障害が残った場合などには、母親に固有の慰謝料が認められることがあります。
慰謝料とは異なりますが、子どもが被害者の場合、主婦が子どもの通院に付き添った場合には、付添費用を請求することも可能です。
4.後遺障害認定について
交通事故に遭うと、後遺障害が残るケースがあります。主婦に後遺障害が残ると、毎日の家事をこなしにくくなり、大きな苦痛を受けるものです。
そのようなケースでは、後遺障害等級認定を受けなければなりません。きちんと認定を受けないと、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求できないからです。
後遺障害の慰謝料や逸失利益は、認定される等級によって大きく金額が変わってくるため、このとき、適切な等級の認定を受けることが大切です。
当事務所では、後遺障害等級認定制度に対して研究を重ね、実績も兼ね備えております。
これから後遺障害等級認定を申請される場合には、まずは一度、ご相談ください。
5.慰謝料の計算方法について
主婦が加害者の保険会社と示談交渉を進めるとき「賠償金が適正に計算されているのか?」と疑問を持たれることが多いです。
実際に、被害者が任意保険会社と示談交渉をすると、任意保険会社は、低額な「任意保険基準」で賠償金を計算することが通例です。その場合、慰謝料を始めとした賠償金が本来より下げられてしまうので、注意が必要です。
交通事故で、適正な金額の賠償金を計算するためには、法的な基準である「裁判基準」を適用する必要があります。弁護士が示談交渉を代行すると、裁判基準を適用するので、慰謝料が大きく上がる事例もたくさんあります。
主婦の方が交通事故の示談交渉を進めるときには、ご自身で進めるより弁護士に依頼するメリットが大きいものです。当事務所では、弁護士が丁寧にお話をお伺いいたしますので、「弁護士は敷居が高いのではないか?」と構えることなく、お気軽にご相談ください。